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復興に向けた都市計画マスタープランとRLA(登録ランドスケープアーキテクト)の役割

私たちの事務所の主な業務は、ランドスケープデザインですが
それに関連する資格として、RLA(登録ランドスケープアーキテクト)という資格があります。

私たちの考えるRLA(登録ランドスケープアーキテクト)の職能とは

地域の「生態系システム」を保全、あるいは再生、創出、継承し
「人を含む多様な生き物」のための具体の土地利用計画を
生態的、社会的、文化的、経済的な多角的視点から検討し、創出していく職能


だと思っています。また、それを目標に日々研鑽を重ねています。

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その有資格者による「有志の集まり」によって
被災地復興に向けての
「具体的な都市計画マスタープランの提案」を目指し
少しずつですが、議論を進めています。
私たちも、まずは簡単な意見書を作成し、提出しました。


これまで何度かミーティングを行い
各参加者ともに多忙の中、限られた時間ではありますが、議論を重ねてきました。

復興マスタープランは、「多角的な視点」が必要で
そう単純で、簡単なものではないことは言うまでもありません。
また、十分な調査も必要です。

私たちRLA(登録ランドスケープアーキテクト)としては
「地域生態系システム」の再生、保全、継承を「最も基軸」としながら
社会的、経済的、文化的見地を含めて
今後、地域がどうあるべきか、どう暮らしていくべきかの検証をしていかなければなりません。

復興に向けた都市計画マスタープランとRLA(登録ランドスケープアーキテクト)の役割_f0141191_2027537.jpgそして、地域とは何か?
東北とは何か?
といった「風土」を尊重しながら
基軸となる地域生態系システムをいかに保全し、併せて都市機能も
回復していかねばなりません。

そして、これらのマスタープランは
何より地域の人々の意志を尊重したものであるべきです。
その地域の方々の意思を
どうマスタープランに反映させていくかが、とても大切になります。

また、「防潮林の在り方」も考えていかねばなりません。
単層林である「クロマツ防潮林」は壊滅状態だったようです。
クロマツ林の主な目的は、「防潮」、「防砂」、「防風」ですが
植栽当時、海沿いの「砂土壌」でも生育可能な植物として
選択されたのだと思います。
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私たちは、クロマツ防潮林を海側の最前線に配置し
その背後に「階層構造のある地域の極相林」を配備すべきではないかと考えています。
(手前のクロマツ林は、 背後の極相林の育成目的とする。)
もちろんこれらは、環境諸条件や地域によって異なります。

上記以外にも、考えなければならない事は多岐に渡ります。

公共交通システムの在り方、集落の在り方、歴史的視点、観光の視点、農業、漁業。。。。。

数え上げたらきりがありませんが
私たちRLA(登録ランドスケープアーキテクト)は
あくまで「地域生態系システムを基軸」とした中での
環境の在り方、地域の在り方、都市の在り方の提案を
目指していきたいと考えています。
by lidesign | 2011-05-01 20:32 | 東日本大震災関連
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